今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
タワーマンションの防犯事情 窃盗事件はゼロではない
タワーマンションの最大の魅力は「なんといっても眺望」...。そんなふうに思われがちだが、購入者の意見を聞くと、必ずしもそうではないようだ。高額なタワマンでは「眺望以上に魅力的を感じるもの」があるというが...。実情を見ていく。
「セキュリティが魅力」タワマン購入者たちの声
威風堂々とした外観もあってか、何かと嫉妬の対象になりがちなタワーマンション(タワマン)だが、最近では立地などによっては比較的手ごろなものも出現し、富裕層以外にも購入者が増えている。
そうはいっても、だれでも購入できる価格ではない。住宅購入時に融資の判断基準のひとつとなる年収倍率は4倍前後が適正とされ、頭金は物件価格の1割程度が目安だ。仮に1億円の東京都心のタワマンなら、世帯年収2,250万円程度となる。夫婦共働きで同程度の給与でも、年収1,000万円超えの会社員であることが大前提。東京都心部の好立地な物件となれば、購入者は一部の高所得者層に限られるということだ。
多くの人を引き付けるタワマンだが、最大の魅力・実際の購入動機は、じつは「眺望」ではなかった。
東京・新宿が2019年に行った『タワーマンション実態調査』によると、購入動機で最も多いのが「交通利便性」だった。1990年代までは建設制限があり、ゆったりとした敷地でなければタワマン建設は叶わなかった。そのため、交通が不便な物件も少なくなかったが、規制緩和によって都心部でのタワマン建設が可能に。それが勢いとなって、郊外や地方都市への建築も進んだが、多くの場合、拠点となる駅前の再開発とセットであり、そのことから「タワマン=交通至便」というイメージが定着した。
「眺望」を上回る購入動機は「防犯面」だった。多重オートロックシステム、防犯カメラのみならず、24時間常駐のコンシェルジュによる有人管理がされている物件も珍しくない。「暮らしの安心」は、眺望以上の魅力を備えているのだ。
タワマン住民の隙をつく「窃盗犯」
高いセキュリティが魅力のタワマンなら、犯罪に巻き込まれる危険性も限りなくゼロかというと、実情は異なるようだ。
警察庁『令和3年の刑法犯に関する統計資料』の、共同住宅の「空き巣(留守時に侵入)」「居空き(在宅時に侵入)」「忍び込み(就寝時に侵入)」の認知件数によれば、階数が多いほど認知件数は低い傾向にあるが、高層階の窃盗被害はゼロかというと、そうではない。
侵入手段の最多は「無施錠」であり、侵入経路の最多は「表出入口」。堂々と表から侵入というケースが多いらしい。
共同住宅における「空き巣」「忍込み」「居空き」認知件数
数値左より、認知件数/新入手段が「無締り」の件数/侵入口が「表出入口」の件数
空き巣:「3階以下」2,541件 / 1,175件 / 1,067件
「4階以上」1,226件 / 432件 / 791件
忍込み:「3階以下」385件 / 312件 / 222件
「4階以上」169件 / 126件 / 109件
居空き:「3階以下」139件 / 104件 / 65件
「4階以上」98件 / 78件 / 81件
出所:警察庁『令和3年の刑法犯に関する統計資料』
「まさか、部外者が表から入るなんてムリ」と思っているタワマン住民も多いのではないか。しかし、高層階になるほど「こんなところまで来るわけがない」という油断が生まれ、「玄関ドアの無施錠」「ベランダ側窓の無施錠」の割合も増えるという。
あのタワマンにおいても窃盗犯は粘り強く、驚くべき方法で侵入を試みる。
高層階を狙う窃盗犯の手口としては「屋上からベランダにロープを垂らして侵入」「雨樋や排水管などを登り高層階のベランダへとよじ登り侵入」といったものがあるが、10階を超えるマンションでもこれらの被害が報告されている。なかには10階以上のマンションのベランダを「懸垂のようにして登って上層階に侵入」というツワモノも。
なかには、鍵番号等を盗み見して合鍵を作製し、100件以上の空き巣を繰り返したというケースすらあるが、合鍵が作られてしまえばどうしようもない。
規模の大きなタワマンになれば、住民か不審者かの見分けは難しい。一度侵入を許せば、タワーマンションのほうが大胆な犯行を行える可能性は高そうだ。
これまで報道された事件には、「東京都目黒区のタワーマンションで宅配業者を装った侵入者により、現金600万円の窃盗被害」「大阪府北区のタワーマンションで、2億7,000万円の窃盗被害」「東京都豊島区のタワーマンションで強盗致傷事件、現金100万円が奪われる」「神奈川県横浜市のタワーマンションでロープを使って最上階に侵入、現金3,500万円等の盗被害」などがある。
タワマンの厳重な設備に安心している住民は、そこまで防犯意識が高くなく、そのうえ、複数のエレベータが設置されているほど世帯数が多いことから、コミュニティの関係も希薄になりがちだ。そこに犯罪が付け入るスキがあるといえるのではないか。せっかく手に入れたタワマン、犯罪被害で泣きを見ないためにも、油断することなく、防犯対策に努めたい。
GGO編集部
<11/24(木) 11:31配信 幻冬舎ゴールドオンラインより一部抜粋>
タワーマンションに住む住人=大金を置いている、高価な貴金属が多いなどの裕福なイメージを持つ泥棒が多いのかもしれません。
多少の障害(防犯システムなど)は当然承知の上で、一攫千金を求めて犯行を行う者もいるでしょう。
また、高層階のマンションに住んでいることで、侵入されにくいと油断している住人の隙をついて犯行を企てるのかもしれません。
記事にもあるように、オートロックシステム、防犯カメラ、常駐警備の管理人はどのタワマンにも存在するでしょう。
逆に言うと、この3つの防犯対策を突破できれば普通のマンションと変わらないところも多いのかもしれません。
低階層より高層階の方が高価(家賃も高く、資産価値も高い)と言われていますから、屋上から一つ下の階層の部屋に侵入できれば、その後は簡単に犯行を行えます。
オートロックを過信して、各住居スペースの鍵は無施錠という家もあるかもしれませんから、一旦破られてしまうともろい体制とも言えます。
宅配業者を装いオートロックを突破し、その後屋上に向かい、そこからターゲットの階層へ降りて犯行を行うというケースもあるでしょう。
簡単に屋上へ上がれないように平時は施錠し、管理人以外は出入りができないように制限するなどの侵入者対策が必要かもしれません。
ただ、火事や地震などの災害時に屋上へ出ようとして出られず、被害者が出るようなことは絶対に避けなければなりませんので、その場合は別の避難経路を用意しなければなりません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2023年1月13日 13:11)
路上で寝ている人狙いの窃盗犯
路上で寝ている人から財布などを盗んだとして、県警捜査3課と伊丹署は17日までに、窃盗の疑いで、兵庫県伊丹市に住む無職の男(55)=窃盗罪で起訴済み=を逮捕、送検し捜査を終えた。
逮捕、送検容疑は2022年7月23日午前2時半ごろ、伊丹市西台1の阪急伊丹駅前の歩道で寝ていた会社員男性(29)から現金7万円の入ったトートバッグを盗んだ疑い。
このほか、17年以降に2回、路上で寝ていた人から同様に財布などを盗んだ疑いがある。同署によると、被害額は計14万円相当にのぼり、男は「パチンコやタバコ代のために盗んだ」と容疑を認めているという。
同署によると22年7月に被害に遭った男性が被害届を提出。防犯カメラの映像などから男が浮上し、10月17日に窃盗容疑で逮捕した。
<11/17(木) 14:32配信 神戸新聞NEXTより>
もし自分が酔っぱらって寝ている状態で、悪意のある人に危害を加えられても起きない自信があります。
持っているかばんから何かを抜き取られたとしても、服やズボンのポケットをまさぐられたとしても、おそらく気付ずそのまま寝ているでしょう。
財布やスマホが抜き取られたことに気付き、瞬時に抵抗することができれば良いのですが、それは誰にとっても難しいことだと思います。
泥酔していればなおさらです。
今回被害に遭われた人たちも、自分が最も無防備な状態で窃盗被害に遭っています。
その状態で被害に遭わないようにするには、まず泥酔しないことが求められます。
泥棒が自分も酔った振りをして近づき、相手が完全に寝ていることを確認し、その後盗みの犯行に及ぶ、そんな手口が行われることもあるでしょう。
最近はPayPayなどの電子決済が普及し、現金を持ち歩かなくなった人も増えているようですが、そういう人は財布が盗まれるよりもスマホを盗まれた方が後始末は大変かもしれません。
知り合いの人で、毎週末のように外出先で酔いつぶれて寝てしまい、起きたらその店だという話を聞きますが、財布やスマホを盗られたり、無くすことがないのか心配になります。
道路にも防犯カメラの設置台数が増え、仮に泥酔した人がいてもカメラが映るエリア内で寝ていれば、泥棒などから身を守ることに役立ちます。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年12月23日 19:21)
窃盗事件のニュースを見て何に生かすか
兵庫県神戸市の会社から現金約600万円が入った重さ100キロの金庫を盗んだとして、男が逮捕されました。逮捕のきっかけは、男が事件後に立ち寄ったコンビニ店の防犯カメラでした。
※詳しくは動画をご覧ください。(11月10日放送『news every.』より)
<11/10(木) 21:14配信 日テレNEWSより>
動画を見ますと、電動工具を使って金庫を開けようとしたものの開けられなかったため、台車を使って外に運び出している泥棒の姿があります。
別の記事では、使われていた電動工具と台車は、泥棒が持参したものではなく、侵入先に置かれていた物と紹介されています。
台車はともかく電動工具を勝手に使用できてしまうのは少し無防備な印象を受けますが、建物内への侵入を許してしまえば、その後の泥棒の行動を制限するのは難しくなります。
万が一の侵入に対して、事務所や家の中に置いている物が犯罪に悪用されないか、ということも一度チェックしてみるのも良いかもしれません。
そうすれば保管場所や管理体制を見直すきっかけになることもあるでしょう。
時々感じることですが、このような窃盗事件が発生し、新聞やテレビで紹介されますが、被害者が気の毒だとか、加害者が許せないと感じる気持ちだけでなく、何かに生かすことができないかを考えるべきではないでしょうか。
例えば、100キロの重さの金庫に入れているから安心だと考えている人は、容易に運び出せてしまう弱点があることを認識すべきですし、現金600万円もの大金を金庫に入れておく、事務所に大金を置いておくことの必要性をもう一度考えて、そして改善できる点は変えていくべきでしょう。
反面教師ではありませんが、このような被害を自分の教訓にし、自分の環境を改善するために利用することで、同じような被害者が出にくくなり、社会全体の防犯意識を高まることにつながるような気がします。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年12月16日 14:12)
タイヤの交換時期は窃盗に注意
滋賀県警甲賀署は9日までに、滋賀県甲賀市土山町の民家敷地内などでタイヤ盗難の届け出が4件あったと発表した。
同署が窃盗の疑いで調べており、タイヤ窃盗が多くなる時季として注意を呼びかけている。
同署によると、同町大野の会社員男性(54)方で10本のタイヤが盗まれるなど、11月2~7日に4軒で冬用タイヤ計26本、夏用タイヤ計4本が盗難にあったという。いずれも7日に届け出があった。
同署の説明では、4軒はいずれも道路沿いにあり、タイヤは駐車場や家屋の軒下など外から見える場所に置かれていたという。
「冬を前にしたタイヤ交換の時期で狙われやすく、施錠設備のある場所で保管するなど防止策をとってほしい」としている。
<11/10(木) 10:01配信 京都新聞より>
使わない時期にタイヤを盗まれたとしても、次に使うまでの間、気が付かないケースもあるでしょう。
これが泥棒の狙いの一つです。
いつ盗まれたか分からない、そのような状態で警察に被害届を出したとしても、おそらく犯人は捕まらないでしょう。
別件で取り調べを受けたり、逮捕された泥棒がいて、その窃盗事件も自分の犯行だと供述することもあるでしょうが、その事件だけの犯行として立証することは非常に難しくなります。
いつ、誰に、どのように盗まれたから分からない状態では警察も捜査のしようがありません。
防犯カメラがあればその映像から調べる、高級なタイヤの場合はネットや中古品店で転売されていないかを調べることはできますが、何も手が掛かりがなければそれだけ犯人を捕まえることが難しくなるのは素人でも分かります。
交換する前のタイヤ、交換した後のタイヤ、それぞれの保管場所には気を付けなければなりません。
置く場所がないからといって軒下や駐車場に置いておくのは、誰に盗まれたとしても不思議ではありません。
防犯カメラや侵入警戒センサーのエリア内に保管するのがより安全ですが、費用を掛けられない場合はせめて施錠できる建物内への保管を行いましょう。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年12月 9日 09:05)
泥棒が「ストリートビュー」で現場下調べに悪用
これから年末にかけて増えるのが、空き巣などの侵入盗(しんにゅうとう)による被害です。
知らない道を調べるときなどに使うグーグルの「ストリートビュー」。実はこれが侵入盗犯人の下見に使われているというのです。
様々な場所がパソコンやスマホでみられるストリートビュー。便利な反面、窃盗グループの下見に使われる恐れもあり、警察が注意を呼び掛けています。
警察はこうした犯罪を防ごうと、愛知県半田市の住宅街で、13日朝、住民とともに防犯上の危険箇所をチェックしました。
半田警察署管内では、ことし侵入盗被害が9月末までに28件と、去年の同じ時期に比べ倍増しています。
例えば脚立を出しっぱなしの住宅。犯人が2階から侵入するのに使われる可能性があるといいます。
窃盗グループは、住宅への侵入経路や付近の住民からの死角を探していると警察は指摘します。しかし、犯人は狙いを定めた場所に直接下見に行かずとも...
(半田警察署生活安全課 課長代理)
「ストリートビューなど地図情報サービスを使って、家の構造や防犯設備を事前に下調べをして、ターゲットを決めて泥棒に入る」
グーグルストリートビューで建物の構造や周辺環境、さらには駐車場に止めている車の種類なども確認できるため、窃盗グループが悪用しているケースがあるとのこと。そこで...
(半田警察署生活安全課 課長代理)
「『ぼかす機能』があるということを住民に知ってほしい」
グーグル側に要望すれば、住宅をぼかすことは可能なのです。
(半田市中村区 区長)
「区民に『よくないことに使われる可能性がある』と熟知してもらえば、防犯意識が高まると思う」
愛知県ではことし9月末時点で1875件の侵入盗が起きていて、去年の同じ時期に比べおよそ250件増えています。
家を不在にすることが多い年末年始は特に被害が増える傾向にあります。
警察は、ストリートビューの「ぼかし処理」も防犯対策の一つとして検討してほしいと呼び掛けます。
ストリートビュー「ぼかし加工」申請方法は
犯人はインターネットで、駐車車両や防犯カメラの有無などを見ているそうです。
ストレートビュー「ぼかし加工」手続きの方法です。
(1)右上のアイコン「問題の報告」というところをタップ
(2)ぼかしをかけたいところに枠をつけて選択
(3)「不適切なストリートビューを報告」に「セキュリティに不安」など理由を入力
(4)メールアドレスを入力。質問にチェックを入れ送信
以上でぼかし加工の申請をすることができます。
<10/13(木) 18:11配信 CBCテレビより>
一般の人が有益だと思うものを、犯罪者たちは別の視点で捉えて悪用できるか考えることがあります。
世界中の色々な場所の様子が手に取るようにわかるグーグルの「ストリートビュー」ですが、犯罪者の視点だと現場の下見や逃走経路の確認に利用できると考えるのでしょう。
プライバシー面での心配する人もいるでしょうが、グーグルが撮影したものに、人の顔や車のナンバープレート、洗濯物、表札など個人が分かってしまうものには「ぼかし」が入れられるようです。
せっかく便利なサービスであっても、犯罪者が悪用することで本来の意味が変わってしまいます。
問題に対応するために当初の内容から変わってしまい、最終的には終了に至ることもあります。
悪用される危険性も考慮した上で、利便性やセキュリティ性も重視しなければなりませんから非常に難しい問題です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年11月18日 11:19)
12府県で旅館荒らし 大浴場の脱衣所から金品盗む
旅館やホテルの大浴場をめぐり脱衣所などで客の金品を盗んだとして、兵庫県警は12日、大阪市東住吉区のリフォーム業の被告(53)=窃盗罪で公判中=を窃盗などの疑いで送検し、捜査を終えたと発表した。
立件した被害は12府県にまたがる23件計153万円。いずれも容疑を認めているという。
捜査3課によると、被告は今年1~6月、京都や石川、愛知などの宿泊施設で、大浴場のロッカーをこじ開けて金品を盗んだり、部屋のカギを盗んで室内の金品を盗んだりした疑いがある。
「大浴場での入浴が趣味。風呂や観光を楽しみながら金目の物を盗めたらいいと思った」などと話したという。「湯船につかり脱衣所の客を物色していた」とも供述しているという。
被告は3月、兵庫県姫路市のビジネスホテルの大浴場で、ロッカーをドライバーでこじあけて盗んだ部屋のカギを使い、男性客(55)の部屋に侵入して現金約50万円の入った財布を盗んだ疑いで逮捕され、起訴された。
23件のうち3件(被害総額約74万円相当)は起訴済み。
<9/12(月) 17:15配信 朝日新聞デジタルより>
大浴場のロッカーをドライバーでこじ開けて直接金品を盗む手口、または部屋のカギを盗み、部屋に保管していた財布を盗む手口、両方の手口を織り交ぜながら犯行を繰り返していたようです。
しかも12府県にまたがって風呂や観光を楽しみながら、行く先々の宿泊施設で窃盗を繰り返すという趣味と実益を兼ねたような犯行です。
宿泊客の場合、大浴場と部屋の移動を繰り返そうとも、特にホテル側が警戒することはないでしょう。
旅行先で温泉に何度も入る人は珍しくありませんから、宿泊客を装えば不自然さはありません。
窃盗事件が発生すれば、まず外部からの侵入を疑うでしょうから、泥棒が現場に泊まっているというのは盲点なのかもしれません。
1泊2日で次々と宿やホテルを変えていけば、警察の捜査中に次の場所(ターゲット)に移動できます。
多少景観を損ねますが、旅館やホテルへの防犯カメラ設置は必要です。
受付やクローク、浴場の入口付近、そして各階の部屋の通路など、それぞれに高解像度のカメラを設置し、不審者がいた場合、後から映像で顔を確認できるようにすれば安心です。
宿泊はしないけど入浴だけする客もいますから、誰もが簡単に出入できる場所は警戒が必要です。
また、防犯カメラの存在は、設置した人を守るだけでなく、利用者、宿泊客が安心してその場所を利用できる安心感を与えることにも役立ちます。
貴重品を預けたら、盗まれる可能性がある旅館やホテルを誰が好んで利用するでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月28日 15:09)
不用品買取業者が訪問先で貴金属窃盗
不用品買取業者の代表が訪問先で貴金属を盗んだとして逮捕されました。
容疑者(30)は仲間と共謀し、去年8月、不用品を買い取りに訪れた江東区の住宅で、86歳の女性の指輪などを盗んだ疑いが持たれています。
容疑者は当時、買い取り業者の代表で、会社は解散しています。
容疑者:「(Q.社員が窃盗などで逮捕されているが?)それはちょっと、お答えできません」
警視庁によりますと、容疑者は、女性が不用品を探しに行った隙に、家の中を物色したということです。
関連事件の被害女性:「写真を撮るだけでいいから、撮らせてくださいって言ったので。まさかそういうの(訪問買い取り)で取られるとは夢にも思わなかったし、悔しいなって」
同様の手口で社員5人が逮捕されていて、この会社が関連する窃盗事件の被害総額は少なくとも2500万円に上るということです。
<9/2(金) 18:57配信 テレビ朝日系(ANN)より>
業者に訪問買取を依頼し、家の中に招き入れることはあり得る状況ですが、彼らが全員信用できるとは限りません。(ほとんどの業者がまっとうな商売をしているでしょうが、一部の業者が犯した犯罪でマイナスイメージを持たれている面もあるでしょう)
難しいケースもあるでしょうが、業者とは玄関、もしくは扉の外で話しをするようにし、安易に家の中へ招き入れないようにすべきかもしれません。(家の中に物を取りに戻る際も、一旦扉を閉めてから移動するなど)
玄関や部屋の中に防犯カメラが設置されていれば、彼らも警戒するでしょうから、抑止効果が期待できる場合があります。
しかし、犯罪者が訪問している時点で、対面で話しをしていますから、被害者に顔を見られることはリスクとして受け入れている可能性もあります。(記憶力が低下しやすい高齢者宅への防犯カメラ設置は、より効果があるように思います)
私の家のポストに「不用品引き取ります」というチラシが入れられていることが度々あり、個人情報とは関係のない不要な金属類(フライパンなど)は実際に引き取ってもらったことがあります。
ただ、業者の連絡先(電話番号)だけが記載された簡易なチラシを見ると、本当に引き取って処分してくれるのかが心配になったこともあります。
また、パソコンやスマホの場合、個人情報などのデータが悪用される可能性があるのではないかと考えてしまいます。
引き取ってもらう物は、内容に応じて依頼する、依頼しないと分けるべきでしょう。
回収してもらえなかった物があった場合、不法投棄になる可能性もありますから、依頼する側にも注意が必要です。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年10月14日 13:45)
連続窃盗犯「シャッターマン」逮捕
「開けるのに5分もかからない」と話しています。
被害に遭った店主:「うちも鍵付きに変えたんですけどね。想像付かなかったね。開けられるってことですもんね」
「頑丈なシャッターを下ろしてさえいれば大丈夫」という、店主の思いを嘲笑うかのように、シャッターを難なく開けて、窃盗を繰り返す犯人のことを、捜査員たちは「シャッターマン」と呼んでいました。
そのシャッターマンこと容疑者(70)が、大阪・堺市の和菓子店に侵入し、レジの中から現金1万8700円を盗んだとして、現行犯逮捕されたのは、5月のことでした。
容疑者:「シャッターを開けるのに、5分もかかりません」
シャッターを開けて、中のガラス戸が開いている店を狙い、大阪府内で11件、被害総額は98万円相当にも上る窃盗を働いていたとみられる容疑者。
18日に追送検され、調べに対して容疑を認めているということです。
(「グッド!モーニング」2022年8月19日放送分より)
<テレビ朝日系(ANN)8/19(金) 9:38配信より>
具体的にどのような手口でシャッターを開けるのかは分かりませんが、開けるのに5分もかからないということです。
鍵付きのシャッターも破られていますが、シャッターがあれば防犯対策としては充分と考えていた人も今後注意が必要です。
今回捕まった泥棒のようにシャッターを開ける手口、ノウハウを持っていない者に対しては、シャッターの存在は防犯対策として効果があります。
ここはシャッターがあるから、ないところを狙おう、となる可能性があるのです。
問題なのは、シャッターを苦にしない泥棒に対してです。
シャッター以外の防犯対策が必要になります。
「◯◯があるから、大丈夫」と考えることは出来る限りやめるべきで、その油断が泥棒に隙を与えることにつながります。
「◯◯が破られても△△がある、△△が破られても次に××がある」この数を増やしていくことが、より強固な防犯対策となります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年9月30日 17:48)
空き部屋、空き家の設備が狙われている?
栃木県内の空き部屋などの外壁に取り付けられた給湯器が盗まれる被害が増加している。県警によると、県内の被害の認知件数は、今年1~6月の半年間で25件、計72台。1年間で3件(9台)だった昨年と比べれば、急増ぶりは明らかだ。内部の銅を狙って業者に売却しているとみられ、県警が注意を呼びかけている。
「むしり取るような感じではなく、工具を使ったようにきれいに外されていた。まさか給湯器が狙われるとは......」。ガス供給会社の担当者は今年3月、高根沢町のアパートのオーナーから連絡を受け、現場に駆けつけた。盗まれた給湯器は隣接する公共施設の壁との間にあり、周囲からは見えにくい場所だったという。
県警捜査3課などによると、市町別では大田原市が7件で最も多く、真岡市とさくら市がそれぞれ4件で続いた。一度に複数盗まれることが多く、目立つのは、集合住宅の空き部屋が狙われるケースだ。盗まれても気付きにくいため発覚が遅れがちで、犯行時期も特定しにくい。
6月には、鹿沼市のガス事業所のコンテナ置き場に積んであった給湯器7台を盗んだとして、さくら市、無職の男(32)が起訴された。逮捕した鹿沼署によると、給湯器は金属買い取り業者に全て売却。調べに対し、男は「ほかにもやった。取り外して売った」などと話したという。以前、設備関連の会社で働いていたことから、容易に取り外せたとみられる。
給湯器の内部には銅製の釜が含まれており、年式やメーカーを問わず買い取ってもらえることが多い。ガス機器製造大手のリンナイ(名古屋市)の担当者によると、給湯器は軽いもので15キロ、重いと40キロほど。宇都宮市の金属リサイクル業者では、1キロ当たり230円前後で買い取っており、給湯器本体の重さで価格が決まるため、容量が大きいほど高値で売れるという。
この業者は「買い取りの際には身分証の提示を求めているが、業者でもない一般の人が大量に持ち込むなどしない限り、一見して盗品かどうかを見抜くことはまず難しい」と話す。
県警は対策として、住宅へのセンサーライトや防犯カメラの設置のほか、所有者の見回りの強化を推奨。担当者は「給湯器が盗まれるという感覚が一般的に浸透していない。対策の一歩として、まずは危機意識を持ち、少しでも不審な動きをする人物を見かけたら、ためらわず通報してほしい」と呼びかけている。
<7/18(月) 8:51配信 読売新聞オンラインより>
今後、高齢化が進み、人口減少になる地域では空き部屋、空き家が増えると予想されます。
空き部屋の場合は、新しい入居者、賃借人を探す必要がありますし、空き家の場合は、建物を立て直す、壊すのにも多額の費用が掛かり、そのまま放置されるケースもあるでしょう。
固定資産税も掛かりますから、存在しているだけでお金が掛かる、資産でありながら負債のような側面もあり、厄介な存在です。
放置する場合、建物に備え付けている設備もそのままにすることが多いでしょうから、記事のような給湯器やエアコンの室外機などが狙われる可能性があります。
盗まれるだけならまだしも、例えば、誤った取り外し方でガス漏れ、漏電による火災、水漏れによる水濡れ被害などが発生する危険性があり、周囲にも迷惑を掛けることが考えられます。(電気の豆知識)
個人で対応することが難しいケースも出てくるでしょうから、国や自治体が(撤去などの)費用を負担、援助するなどの仕組みの構築が求められます。
空き家が増えると犯罪が増え、治安の悪化と悪循環が進みます。
どこかでその負の連鎖を断ち切る必要があります。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年9月 2日 09:35)
防犯カメラの過信は禁物? 傘で顔隠したバイク泥棒
兵庫県姫路市にある集合住宅の駐輪場に設置された防犯カメラの映像です。
27日の深夜、黒いバイクが運ばれていきます。"バイク泥棒"です。バイクを盗まれた男性は、この映像を見て、"ある違和感"を覚えたといいます。
被害に遭った男性:「雨が降っていないのに、傘を差して」
映像を確認すると、駐輪場にやってきた2人組は、1本の傘に体を寄せ合っています。しかし、この時、雨は降っていませんでした。
被害に遭った男性:「不自然ですね、明らかに。うまいこと、カメラでは見えないんですよ。首より下は見えているんですけど、本当にうまいこと、顔だけが隠れていて、傘で。だから、これはプロだな、みたいな感じでしたね」
バイクを盗んだ2人組は、事前に駐輪場を下見して、防犯カメラの位置を確認したうえで、傘で顔が隠れるように、犯行に及んだ可能性があるといいます。
被害に遭った男性:「正直、防犯カメラがあるというのが、めちゃ心強かったので。(カメラを)過信しすぎていました」
盗まれたバイクは、1990年代に人気を博し、現在は生産されていないモデルだといいます。
被害に遭った男性:「とりあえず、僕のバイクを返してほしいですね」
男性は、警察に被害届を提出したということです。
(「グッド!モーニング」2022年6月3日放送分より)
<6/3(金) 12:22配信 テレビ朝日系(ANN)より>
現場に設置されている防犯カメラの台数や取付位置、角度などによってカメラに死角が生じてしまい、大事な場面が撮れていないということがあります。
今回のバイク泥棒は、事前に現場の下見を行い、防犯カメラの位置を確認し、自分たちの顔が映らない角度も考えた上で、犯行当日傘で顔を隠しています。
出来るだけ死角をつくらないように防犯カメラを設置するには、相当の台数が必要になります。
基本は、最も重要な箇所、一番守りたい物が映る箇所に設置します。
せっかく大金を掛けて防犯カメラを設置しても、適切な位置ではないと、最高のパフォーマンスを発揮できません。
この辺りの知識や経験が豊富な防犯設備士、総合防犯設備士の資格を持った防犯のプロ(セキュリティハウス)に任せましょう。
防犯カメラが設置されていると、安心する人も多いと思います。
逆に一般市民の敵である犯罪者にとっては、やっかいで邪魔な存在です。
ただ、犯罪を100%防ぐことができるとは限りませんから、防犯カメラを過信するのは禁物でしょう。
犯罪者によっては、防犯カメラに自分の顔や姿が映ることも承知の上で犯行を行う者もいます。
例えば、宝石貴金属や大金を盗むことができる可能性が高い場合、多少のリスクは仕方がないと判断することもあります。
しかし、防犯カメラが設置されているだけで犯罪の抑止力となり、その場での犯罪が未然に防がれているケースもあるでしょうから、効果がないとは言えません。
防犯カメラに加えて、侵入者を検知するようなセンサーや警報システムの設置、さらにはボランティアや職員、警備員などの巡回やパトロールなどを行うと、犯罪者にとっては非常に犯行を行いにくい環境となります。
逆に自分が犯罪者になった場合として考えると、非常に分かりやすいのではないかと思います。
投稿者: 総合防犯設備士 (2022年6月10日 09:00)
