今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
住人が寝ている家に忍び込む「ノビ」の手口 福岡・佐賀で40件以上発生
警察は12日、住人が寝ている家に忍び込む「ノビ」と呼ばれる手口で窃盗を繰り返していた男の捜査を終結したと発表しました。被害額はおよそ200万円に上るとみられています。
福岡県柳川市古賀の無職の被告(68)は去年12月、福岡県久留米市の住宅に侵入し、現金およそ66万円などを盗んだとして、ことし2月に逮捕され、その後、起訴されました。
被告は、住人が寝ている夜間にカギがかかっていない窓から忍び込む「ノビ」と呼ばれる手口で、金品を盗んでいたということです。
警察によりますと、被害は少なくとも福岡と佐賀の7市2町で48件、被害額は200万円に上るとみられています。ほとんどの被害者が、被告の侵入や窃盗に気づいていなかったということです。
被告は警察の調べに対し、「生活費を稼ぐためにした」などと話しているということです。
<5/12(月) 17:20配信 FBS福岡放送より>
有人の建物、無人の建物、泥棒がどちらを狙うのかは明らかで、無人の方です。
理由は簡単で、有人の場合、人と鉢合わせることによって、相手に顔を見られたり、捕まえられたりする可能性が高まり、犯行の成功率も低くなります。
逆に無人の場合は、人がやって来る、帰ってくるまでの間は時間を気にせず犯行を行えますので、結果として成功率も高まります。
現場に証拠を残さず、周囲で目撃されなければ自分の犯行として特定されにくくなり、捕まる可能性も下がり、泥棒にとっては良いことばかりです。
また、今回の犯人は分かりませんが、人と鉢合わせることも想定して現場に凶器を持ち込む者が以前より増えているようです。
「泥棒」ではなく「強盗」もやむなしという考えの犯罪者が増え、より手口が凶悪化していると考えられます。
闇バイト強盗、トクリュウ、外国人窃盗団など、従来の「単独犯」から役割分担する「複数犯」での犯行に変化しています。
従来の防犯対策だけでは防ぐことが難しい手口も増えており、防犯対策として○○をしているから安心だと油断するのは禁物です。
例えば、大金を持っている家という情報を闇サイト等で事前に得ていた場合、防犯システムや監視カメラが設置されているのは想定済みで、得られるリターン(大金や貴金属類)が大きければ、リスク(危険性)は二の次という犯罪者が増えても不思議ではありません。
彼らは人を傷つけることをいとわない可能性があり、窃盗事件よりも恐ろしい、凶器や暴力による殺傷事件に発展する可能性もあります。
単独犯の泥棒は事前に現場を下見すると言われています。
その下見の段階で防犯システムや監視カメラが設置されているところはターゲットから外し、何も対策されていない別のターゲットを探す、というのが従来見られた多くのパターンでした。
しかし、より凶悪化した複数犯の犯罪集団に対しては、それらの対策だけでは犯行を防げない可能性が出てきました。
複数の防犯対策を組み合わせて、その場でそれ以上の犯行を継続させない、周囲へ犯行があったことを知らせる、音や光で犯罪者がより嫌がる対策を行わなければなりません。
投稿者: 総合防犯設備士 (2025年7月17日 15:24)
