今日巷で話題の犯罪について防犯のプロが語る
知人が勝手に合鍵を複製! 知らない人が多い「キーカバー」の存在理由
「【注意喚起】初めての一人暮らしを始めた方へ。 鍵には、写真のようにキーカバーをつけるのを強く推奨します。鍵に書かれている鍵番号で、合鍵がカンタンに作れてしまうからです。
自分が知らぬうちに合鍵を作られ、自宅に侵入された事件が多数起きています。 安全管理のためにキーカバー必須です」
最近では、鍵番号を入手しネット注文して、勤務先の部下の女性の部屋に侵入した男や、アルバイト仲間の女性の下着撮影の目的で留守中に入った男が逮捕されるなどのニュースが相次いでいます。
4月には大阪のラジオ局の人気番組プロデューサーが、知人女性の自宅に合鍵を作っての侵入も報道されるなど、思わぬ知人が犯人であるのも現状です。
注意を促した一般社団法人痴漢抑止活動センターで代表理事を務める松永弥生さんに取材しました。
キーカバーをアクセサリーと思ってた!?
「春先は、ひとり暮らしをスタートさせる人も多く、痴漢などの性犯罪も発生しやすい時期です。防犯知識のひとつとして知って欲しかったのです」と、松永さん。
鍵に刻印された番号で、合鍵を作って留守中、あるいは在宅中に侵入。
「そんなこと、あるのか!?と信じられない人もいるでしょうが、そういう犯罪は実際に発生しているので、可能な限りの防犯対策は必要です。
カギを机の上に無造作に置いていたり、引き出しの中やカバンに入れておいても、コソッと写真を撮られたら、合鍵を作られてしまうことも。鍵番号を見せないように、という今回の投稿は予想以上の反響でした」。
侵入犯罪は増加傾向にあり、警察庁によると、令和5年は前年比17%増加の70万3,351件、また侵入窃盗の認知件数は前年比11.3%増の1万7,469件。
また侵入手口は一戸建て住宅であれば1位は無施錠、2位はガラス被り、3位が合鍵、共同住宅(3階建以下)も同様。共同住宅(4階建以上)は2位が合鍵となっています。
「キーカバーをアクセサリーと思っていた人もいたようで、キーカバーの存在理由を改めて認識した人もいるようです。100円ショップや、雑貨店、鍵の修理などを行うショップなどで販売しているので、知ったらすぐにキーカバーを付けて欲しい。気軽に始められる防犯対策です」と呼びかけます。
またキーカバー以外にも、鍵のナンバーを隠すための「セキュリティシール」もあります。その際は、単にシールではなく、剥がされたときに気づけるように、跡が残るものを選ぶのをお勧めします。
「家の鍵は人に見せない!」それが大事
全国の鍵業者で構成される「日本ロックセキュリティ協同組合」にも取材しました。
鍵番号を隠す大切さについて、「鍵には、鍵番号と言われるものが刻印されています。これは、鍵にとってのID記号です。鍵は、指紋あるいは財布の中身のようなもの。クレジットカードやマイナンバーカードなどと同様に、貴重品と認識して管理してください」
キーカバーで鍵番号を見えないようにすることは防犯対策として有効ですが、「取り外しが簡単なものもあり、少しズラせば鍵番号が見えてしまう場合もあります。まず人目に触れない、人の手に触れさせないことが大切です」。
また、キーカバーを使用する時の注意点として、「大型のカバーを装着した鍵をデニム(ジーンズ)などの後ろポケットに入れて座ると鍵が曲がってしまう恐れもあります。鍵の材質は、意外に柔らかいです」。
鍵番号だけではなく、鍵の形状から複製することもありえます。
「住宅用の鍵をキーコーナーなどに持参すれば、ディンプルキー以外のほとんどのカギはその場で複製可能です。ディンプルキーは形状が複雑なため、それを正確に復元できる高性能マシンが必要に。そのマシンは大変高価なため、都市部の店舗でなければ、その場ですぐに複製するのは難しいと思われます。
また、例えば、鍵の形状を写真撮影して、そのデータを基にして復元するのは、鍵の専門知識を持つ熟練工でないと再現できません。難しいケースはあるものの、複製不可能とは言い切れません」
対策として、鍵を作る際に鍵番号と暗証番号(鍵納品時に鍵本体とは別で渡されます)を提示しなければ、合鍵を製作できないID認証キーシステムを採用する鍵も登場しており、今後の普及に期待が寄せられています。
鍵番号や鍵自体をSNSに投稿するのも避けるのはもちろん、1人暮らしをはじめた人や、子どもに鍵を渡している人は、鍵そのものが見える状態になっていないか、改めてご確認を。
<5/14(水) 6:55配信 まいどなニュースより一部抜粋>
鍵を複製する場合、鍵の現物がなくても鍵番号から作れることに驚きました。
鍵屋さん以外で鍵を複製したことがなかったので気付きませんでしたが、ネットで注文できるということは現物を相手先に送らなくても作れることになります。
無防備な状態の鍵を目にしたら、スマホなどで鍵番号を撮影し、あとでネットで鍵を複製、持ち主の不在時に家の中に侵入する、何て簡単で恐ろしい手口でしょう。
また、私も恥ずかしながらキーカバーの存在理由を知りませんでした。
アクセサリー、もしくは鍵の名称を分かりやすくするためのものと思っており、鍵番号を見られなくするという重大な存在理由があるとは思いませんでした。
今まで人に家の鍵を見せることはありませんでしたが、今後は一層鍵の取扱いを注意しようと思います。
また、警察庁の統計データで、侵入手口において一戸建て住宅及び共同住宅(3階建以下)の3位、共同住宅(4階建以上)の2位がそれぞれ「合鍵」となっており、いかに合鍵での侵入方法が多いことが分かります。
運動する時に財布やスマホを家に置いて鍵だけを持って外出ことがありますが、その時の鍵の重要度は何よりも高く、もし落としたり、誰かに盗られたりしたら家に入れなくなります。
改めて鍵の重要性を考え、保管方法や管理方法も含めて見直してはいかがでしょうか。
投稿者: 総合防犯設備士 (2025年8月 7日 10:21)
