こんなおかしな泥棒がいる
vol.25 『ファッショナブル・ドロボウ』
ドロボウといえども、ファッションにはかなり気を遣い、典型的なコソドロファッションなんてくさいよ、といったところ。下手すれば、我々なんかよりず一っと高価なものを身につけています。(もちろん、稼ぎもあるしね。)
それでも、ただ"イイカッコしい"だけではないのがドロボウのドロボウたる由縁。手口とそして環境にあった服装を心掛けます。
学生アパート荒らし専門のA。Aは、田舎から出てきた父親または大学教授といった服装で白昼堂々と盗みを繰り返していたといいます。たまたま部屋に戻ってきた学生に向かって「君は誰だ」と言う。学生はAのあまりにも堂々とした様子に押され気味に「そちらこそどなたですか」と問い返し、Aはデタラメな名前を語り、以前にその部屋を借りていた学生の叔父であり、甥(おい)が引っ越したことを知らずに近くまで来たので立ち寄ったのだとウソの説明をした後、堂々と部屋を出ていったといいます。学生は、Aの態度と服装にまんまとだまされたわけです。
なかには、女装をして犯行を繰り返すのもいれば、大金持ちの息子で上から下まで超一流品でキメていたというのもいます。でも、大金持ちなのにドロボウというのも奇妙な話です。
基本は、手口と、環境にあっており、いつでも逃げられるような軽装。
でも、おしゃれもしたいのよね、泥棒だって。