対象別犯罪事情・防犯対策
海外旅行中に犯罪に遭遇しないためのポイント
海外旅行中の防犯対策
- 日本人は狙われていることを認識する。
重要なのは、実際に大金を持っていなくても、外国では日本人をそう捉えているため、自分が持っていないくてもターゲットにされる可能性があるということです。
ここを忘れてしまうと大変です。
- 「日本の常識は海外の非常識である」ことを知る。
最近でこそ日本国内でもピッキングやサムターン回し解錠などいろいろな手口に対応する錠前や補助錠などを設置される家庭も増えてきましたが、まだま防犯意識は低いまま。「まさか自分が犯罪に遭うなんて・・・」というフレーズが国内・海外関わらず多いのです。
お金がいっぱい入っている財布を人前で見せるなんて行為も、外国では絶対してはいけないこと。
バイキングなどで手荷物を置いて席を離れるなども絶対NG。場所によっては一瞬の内に手荷物がなくなる・・といったこともあります。
又、「NO」というと国際親善上まずい?なんて思ってあいまいに笑うなどというのも絶対避けないければなりません。沈黙が金なのは日本だけ。外国ではきちんと自分の気持ちを伝えましょう。
外国ではスーパーマーケットで銃が販売されており、一般の家庭でも銃を持っている国もあります。
日本とは安全・安心に対する考え方が根本的に違うのだということを認識してください。
- 日本を出発する前に現地の防犯状況に関して情報を得る。
旅行前に調べるのは買い物やグルメ情報だけ・・なんてことしていませんか?
まず、その土地の犯罪事情や法律・習慣・風習・宗教上のタブー、民族の歴史などきちんと調べておくことがトラブルを回避するポイントです。特に宗教上のタブーに関しては相手の国の宗教を尊重し守ることが大切です(例えば禁酒、肌を見せないなど服装上の規則、宗教上食べてはいけない食べ物、使ってはいけない手、挨拶の仕方など)
国によってはゴミを路上に捨てるのにも罰金刑の対象になる場合もあります。
過去にどのような犯罪が多いか、危険なエリアはどこかなどをきちんと把握して、充分に危機意識を持って出発しましょう。
犯罪が多い日に「選挙期間中」「独立記念日」があり、選挙情報や祭日などにも注意することが必要です。
- 到着してから実際に自分の目で見て、自分なりの危険レベルを判断する。
その街に到着したら、駅周辺・ホテル周辺などの建物(ゴミや落書き)、人々の服装、ジプシーや浮浪者の有無などで実際の治安状況を感じ取る、行動に生かすことが大切です。到着当日など土地勘がない時には特に注意しましょう。
- 危険なエリアには絶対に近づかない。
ガイドブックなどに「危険なエリア」の情報がありますので事前に確認し、危険なエリアと言われている所には絶対に近づかないこと。日本と同じ感覚で物見見物的な気持ちで行くと場合によっては命に関わり本当に危険です。
どうしてもその場所を通る必要が有る場合には、時間帯や携帯品に十分考慮し、現金・カード、パスポートなど貴重品やカメラ・ノートパソコンなど高額商品を持ち込まないことが大切です。徒歩は避け、流しではないタクシーをホテルから手配してもらい利用するなども回避する方法です。
- 被害を最小にするために自分なりの対策を立てる。
被害に遭わないことは大切ですが、どんなに気を付けていても被害に遭ってしまうこともあります。
重要なのは、被害状況を即座に把握し、すぐに対処できるようにしておくことです。
- 貴重品袋やバックの中身を把握しておく。リストを作っておくと良い。
- 二次的被害を防ぐためにもクレジットカードやパスポート・航空券などのコピーを取っておく。
- コピーなどは複数枚作成し、別々の荷物に入れておく。
- 盗難・紛失時すぐに届け出ることができるよう電話番号(大使館・カード会社・保険会社など)をメモしておく。メモは複数枚作成し、いろいろな荷物に分散して保管しておく。
- 対応マニュアルを作成する。
- パスポート再発行のための写真も準備しておく。
- 写真などデータはバックアップを取り、DVDディスクに保存。パソコンとは別の鞄に保管。こまめに日本に送る。
- 人の多くなる日や場所へは特に注意をする。
マーケット、繁華街、駅、空港など人が多い場所や逆に極端に人通りのない場所、お祭り、独立記念日など人が多くなる日はスリやひったくりが多いということを最初から想定して出かけましょう。
又、地下鉄、バス、夜行列車などもスリの被害が多いので注意。荷物・現金は最小限とし、体から離さないこと。カメラ・デジタルカメラなどを観光地以外で見せないことも重要です。公共の交通機関を利用する時は、できる限り座席に座る、立つ時は荷物を前に見えるように斜めがけにする。列車に背中をもたれるなどで死角をできる限りなくすことが大切です。
ネットカフェから出たところ、銀行から出たところをひったくりなどに狙われることもあり、注意が必要です。
- 見た目でターゲットにされないように「郷には入れば郷に従う」
「郷には入れば郷に従う」とあるように、その地域の人々から浮き上がらないようにすることが重要です。日本人に見えないように髭をはやす、日焼けをする、汚い格好をする、コンビニの袋に貴重品は入れるなども防犯対策として有効です。観光客と人目でわかる格好や行動をしないことが大切です。ハンドバックは、盗られないように、たすき掛けに持つか、盗られても構わないがあおられて怪我をしないように持つか、ハンドバッグの上からコートを羽織ってみるかは判断の難しいところですが最も簡単で確実な方法は、市内観光に繰り出す時には周囲を見回し、現地の人と同じように持つことです。
下記のような服装や態度は防犯上避けることをお勧めします。(特に昼間の観光時)- 全身ブランドなど、いかにも「お金持ち」と見られる格好
- 真新しいスニーカー、ブランドマークの入ったポロシャツ
- 買ったばっかり?と思われる真新しいブランドロゴ入りバックや紙袋、Tシャツ
- 海辺以外での短パン・タンクトップ
- 特に若い女性は特にあまり開放的な服装をしないことを防犯上お勧めします。服装によっては外国では男性から「いつでもOKサイン」と誤解されることもあります。
- 地図やガイドを持ってうろうろ。観光客と人目で分かる。
- 大きな手荷物をいくつも持って、ウインドウをボーと見ている。(隙だらけ)
- 人前で現金を出し入れする行動。
- 隙を見せない。
犯罪者に隙を見せないこと。いつも周囲に目をくばり、「防犯意識が高い」ということをアピールすることが大切です。- 荷物についていつも意識しておく。特に手荷物に注意を。
- ホテルでセーフティボックスに貴重品を預ける場合にもチェックリストを作成し、確認している様子を見せる。「きちんとしている」ということは、付け入る隙を与えないポイント。
- ホテルの部屋の中も整理整頓し、トランクは常に施錠して外出する。高額商品や現金を見せない。
- ゲストルームなどの場合には荷物はベットにチェーンロックでくくりつける。
- レンタカーなどを利用する時、車から離れる時に荷物を残さない。荷物は全てトランクに入れ施錠。
- 普段の移動には現金・クレジットカード・T/C、パスポート、航空券は腹巻きベルトに入れて携帯する。小口現金のみ財布にいれておく。
- 現金は小分けにして保管する。
- ホテルの窓の側には荷物を置かない。
- ショッピング中や更衣室での試着中でも手荷物を体から離さない。一人の時は特に注意。
- ネットカフェなどでクレジットカードナンバーや個人情報などを入力しない。
- お金の出し入れは人から見えないところで行う。「現金は貸さない、見せない、触らせない」
- 背広やズボンのポケットに財布や現金を入れない。
- 荷物やバックは車道側に持たない。のろのろ後ろから車やバイクがきたら注意する。
- むやみに現地の人の家やホテルの部屋などについていかない。
- 流しのタクシーや白タクには乗らない。ホテルやレストランで呼んでもらう。
- 乗車したタクシーはメーターが正常に動いているか確認する。距離がある場合等はあらかじめホテルなどでだいたいの価格をリサーチしておき、事前に価格交渉する。荷物や夜間など価格が追加になる場合もあり注意する。
- 言葉が通じない場合、あいまいな態度をとらない。嫌なことははっきりと「NO」をいう。あいまいに笑っていると全て「YES」と受け取られてしまう。
- 旅先での人々とのふれあいは、その旅行を思い出深いものにするが、話しかけてくる人が全て善人とは限らない。人々とのふれあいは大事にしつつも、最低限の警戒心を忘れずに接すことが必要。初対面なのになれなれしい人や強引な人、言葉巧みな人などには注意する。特に一人の男・女・職のない人で向こうから積極的に話し掛けてくる場合は注意する。善意での言葉なのか何か裏があるのか判断が難しいが、最後には自分の感性で判断する。
- 日本人グループで話をしながら歩いていると隙が出やすい。友達と一緒でも日本ではないことを意識して行動する。
- 夜の街を探索するのは慎重に。
慣れない異国の地での夜はできるだけおとなしくしているのが無難です。
その土地の信頼出来る友人知人が案内してくれるのであればともかく、そうでなければ夜の街を特に1~2人で探検するのは避け、宿泊しているホテル内の店やホテルマンや観光ガイドが勧めている店で楽しむのが安全です。
もちろんホテルから出かける場合には往復の交通手段はホテル・店で呼んでもらったタクシーを使用し、徒歩を避けることです。そして、店に着いたら自分の五感を総動員して危険な雰囲気がないことを確かめてから入って下さい。それでも被害に遭った場合にはあきらめるしかありません。その際は自分の身の安全を第一に考えて行動して下さい。「命あっての物種」です。
その土地で初対面にもかかわらず向こうから「食事に一緒に行こう」と誘ってきた場合も安全面からはお勧めいたしません。「睡眠薬強盗」によってお金はもちろんのこと山の中に捨てられたり、病院に入院などといったトラブルも発生しています。「家族・友達を沢山連れてきて奢らされた」などはかわいらしいもの。中には命にかかわるケースもあるので、注意してください。
日本でもこのような「恐い店」はあります。しかし、不思議なことに国内では決してそのような店に近づかないような人が海外で被害に遭っています。外国での雰囲気の違いや開放感などから、ついつい警戒感を無くしてしまうのでしょう。特に旅の終盤、土地勘や自信が出てきた時こそ慎重に行動しましょう。
もちろんひったくり、置き引き対策に、貴重品は持っていかないか、服巻きベルトの中にいれておきましょう。
- セキュリティ度を高める。
セキュリティ度を高めることで、犯罪を抑止又は被害を最小にすることができます。- 宿泊場所は治安の悪い場所を避け、セキュリティ面も考慮に入れて選ぶ。セーフティボックスの有無や錠前の状態などはホームページで確認できる。星の数はセキュリティ面に直結はしないが、ある程度の目安として考える。
- 部屋に通されたら扉・窓の鍵の状態などを自分で確認し、実際に施解錠操作をしてきちんと動作するか確認する。不具合がある場合には部屋を交換してもらうこと。
- はじめて訪問する土地や、ガイドブックなどで治安が悪いといわれている街には夜間の到着を避け、できる限り人の多い時間帯にホテルに到着するようにスケジュールを考える。又、そのような場所ではあらかじめ宿泊ホテルを決めておくこと。
- トランクやバックパッキンなど荷物はロックのあるものを選ぶ。特に空港にて荷物を預ける場合には布製は避け(切られる)、2個以上のロックのものとし出来る限り、ナンバーやカードタイプのロックを併用する。
- バックの中に仕切用のポケット(ファスナー付き)を作り、その中に入れる。
- 現金・パスポート・T/Cは服巻ベルトなどに入れる。
- 宿泊先の窓の鍵がこじ開けられそうな時には洗濯紐で窓が開かないようにしたり、紐にすずをつける。
- 扉の前にいすを置き、外から開けるといすが倒れるようにする。
- 強盗対策用の見せ金を用意しておく。(200~300ドル程度)。但し、保管上着の内ポケットは避ける(銃を出すのと間違えられる)
- 携帯用アラームやひったくり・置き引き検知アラーム、ロック付きチェーンなど防犯機器を持参する。
番外編
海外旅行中のマイホームの安全対策も忘れず実施していきましょう。
- 期間中郵便・新聞を止める。
- 全ての窓・扉の施錠確認を徹底して行う。
- セキュリティ度の高い補助錠を見えないように追加する。
- 留守番電話には「ただいま海外旅行中」などは入れない。
- なるべく留守が悟られないようにする。タイマーで室内の電気をつけるなども効果的。
- ホームセキュリティシステムを設置する。