こんなおかしな泥棒がいる
vol.99 『わっさんくとぅんしちはならんどー(そんな悪いことをしてはいけませんよ) 沖縄の熱い心に、強盗ノックアウト。』
沖縄常夏の島で、タクシー運転している61歳男性の車に那覇市から
乗り込んだ那覇市内在住の28歳の男性。
運転手はいつものように何気ない世間話で場を和ませる。
言葉の一言二言に滲み出る温かな人柄。日に焼けた肌に優しげな笑顔。
実はその男はギャンブルのために消費者金融から借りた借金約270万円が
返済できずタクシー強盗を決意して犯行の機会を待っていたのであった。
ところが男は運転手と話すうちに「こんな良い人を襲ってはいけない」と思い始めた。
タクシーが浦添市付近に到着した段階で
男 「ここで止まってください。実は現金を持っていない」と告白。
運転手「ちゃんと目的地まで走ります。
お金は後で会社に持ってきてくれればいいよ」相変わらず優しい言葉。
怒ることなく優しいこの言葉に男はノックアウト。
自分が強盗を決意して乗車したことを説明し、
隠し持っていた刃渡り6センチのナイフを手渡した。
運転手「これは預かっておく。一緒に警察に行こう。
まだ強盗を起こしていないから大丈夫」相変わらず優しく諭し、
そのまま浦添署に直行し、出頭するときも立ち会ったという。
常夏の温かな心が生み出したおとぎ話。