こんなおかしな泥棒がいる
vol.27 『泥棒家業も楽じゃなし』
イギリスの大列車強盗R・ビッグスは3回、165ヶ所の整形手術、フランスの銀行強盗A・スパジアリも3回、180ヶ所の整形手術を行っている。
フランスの大泥棒J・メスリーヌは2回めの脱獄の時、2ヵ月の間、毎日看守が手にしている鍵を凝視し、下絵をつくり、それをシンチュウ板で自作し、そして脱獄に成功した。
前述のA・スパジアリの銀行強盗計画。侵入計画経路、必要な道具などの研究・計画に14人で3ヵ月。地下の下水管を逆行して銀行の脇まで行き、さらに歩道の下を掘って銀行の地下にある金庫室を破ろうというもの。3人掛かりで2ヶ穴のトンネル掘り、そして金庫室への侵入、丸2日以上彼らは金庫内にこもって略奪を続け、そして「憎しみも暴力も武器もなく」というメッセージを銀行に残し、逃げ去ったという。
知る人ぞ知る、とある国の特別離島刑務所。もはや矯正の対象にならなぬA級罪人ばかりが収容されており、全館完全独立房。脱獄に必要な情報も小道具も手に入らず、気を紛らわす強制労備もなく、終日一人きりで灰色の壁を見つめていなくてはならない。聞こえるのは、海のうねりと吹き荒れる風の音だけ。海鳥さえも姿を現わさないという。