こんなおかしな泥棒がいる
vol.18 『耐火金庫は防犯金庫にあらず』
金庫破りの方法をご存じですか?
ずっと以前の金庫破りであれば、その犯行の前日、ほとんどと言ってよい程近くの溶接工場が荒らされたといいます。溶接に使用する酸素ボンベ・バーナー・大型のバールやハンマーなどを使って金庫を破っていたわけです。しかし、世の中がすすみ(?)、電動カッター・小型削岩機・手押し車などが簡単に手に入り、金庫破りの方法はかなり前進(?)しました。
背中破りかダイヤル部分を壊すやり方で、手慣れた者であれば20分〜30分程で仕事は終了してしまいます。壊す時、大きな音がするのではと思いきや、金庫の下にマットや座布団を敷けば問題はなく、また鉄筋の建物の中では音が部屋内で反射しこもってしまうといいます。それに、最近は夜中に工事することも多く、多少の音では誰も不審に思わないですよね。他に、金庫を搬出してしまう方法もあります。
金庫は万能と思っているのではありませんか。確かに施錠機能は優秀ですし、目方も重く、安心できそうな気がするのですが、しかしどんな高価な重たい金庫でも、"防犯金庫"ではなく"耐火金庫"にすぎないのです。ただし、「金庫のそばに警報装置が設置されていたので未遂に終わってしまった」と供述する泥棒がいることもお忘れなく。