こんなおかしな泥棒がいる
vol.14 『アパートの鍵、貸します。』
シャーリー・マクレーンの映画『アパートの鍵貸します』は色っぽいお話でしたが、こちらはちょいと物騒な「泥棒のアパート侵入手口」のお話。
アパートが狙われ易い理由は簡単。一戸建は苦労して侵入しても財布のありかは一ヶ所かせいぜい二ヶ所ぐらい。それに比べてアパートは同じタイプの家が数十軒まとめてあるから財布のありかもそれだけ多いことになるというわけだ。住人が多いから、泥棒が侵入しても「近くのご主人」としか思われない。もちろん、泥棒でございなんて格好ではなく、パリッとセールスマン風にキメております由。
アパートを狙う時間はたいがい午前10時から午後2時の間で、何気なく通りすがりにスッと入る。 ベテランは留守を確認してから仕事にとりかかるが、初心者は不慣れで不安でもあり電話やインターホンで確かめたりするそう。
「すみません、◯◯新聞です・・・奥さん・・・◯◯新聞です・・・」
こんな時、「はい、どなた?」と家人が出ようものなら慌ててとぼけてしまう。家人が完全に留守だと確認すると早速仕事にとりかかる。道具は、少し大きめのドライバー1本のみ。ドアの隙間に先端を差しこみ、こじ開ける。玄関で靴を脱ぐ習慣の我が国のドアは外開きとなっているため、必然的に隙間があいてしまうのだ。
頼りになるはずの錠前もドライバー1本に降参してしまうようでは・・・。
これでは、シャーリー・マクレーンならぬ、泥棒にアパートの鍵貸しているようなものですね。