増え続ける侵入犯罪

侵入強盗の認知件数は、平成10年以降に急激に増加し、平成15年には平成9年の2.9倍となった。また、侵入強盗に伴う身体犯の認知件数も年々増加傾向にある。
又、発生場所は商店が44.7%、住宅が34.4%(うち一戸建て住宅が16.7%)生活環境営業が10.5%となっており、発生時間帯は午前2時から午前4時が最も多い。
犯罪の急増と検挙率の急落により、日本の安全神話は完全に崩壊した。この背景には長引く不況と高失業率、犯罪の国際化(来日外国人による犯罪の急増)、組織化、若年化、地方への拡散などがあげられる。
地方に広がる来日窃盗団による被害
「ピッキング」という言葉が、TVや雑誌に頻繁に登場するようになって、マンションなどはピッキング対策として錠前をピッキングに強いタイプに変更したり、カメラを設置したり対策を強化している。各自衛方法の徹底と警察による摘発効果があったのか、ここにきてピッキングの被害が少し首都圏において下火になってきているのもつかの間、中国人窃盗団による犯罪が東京を中心とした大都市から地方、ついには静かな田舎町にまでに広がってきている。
今までピッキングという言葉も「他山の氷。」まだまだ都会の出来事として考えていた静かな田舎町の民家にいきなり複数の犯人が押し入り、住人を刺殺といった悲惨な事件が多発している。警戒の薄い地方や郊外を、機動力を駆使して襲っている。都市の防犯対策はこの1,2年でかなり進んだが、都会を離れればまだまだ「水と安全はタダ。」という意識は強く、玄関の錠前を施錠せずに外出したり、窓を開けっ放しで就寝したりといった習慣が残っている。
「日本の田舎には現金を銀行ではなく自宅に置いている家が多い。」と公言する窃盗犯もいる。窃盗犯は「金のありそうな家でなく、侵入しやすい家を狙うのがコツ。」と供述している。
日本人の暴力団を情報屋(手引き屋)や運転手に雇うケースも少なくない。数名の実行犯と下見をした情報屋で目的現場に車で乗り付け、金品を強奪し疾風のように逃走する。司令部と実行部隊の出撃基地は首都圏など大都会。犯行場所は警戒の薄い地方。奪った金品は司令部を通じて世界の犯罪組織へと、「ヒット・アンド・アウェイ方式」と呼ばれる指令と実行の分業方式を徹底している。実際の実行犯の中でも分業化は進んでいる。見張り役・ピッキング役・預金通帳などを現金化する役。金品だけでなく日常雑貨も含めてごっそりと盗まれる場合もあるという。
奪われるのは金品だけでない。ほとんどの実行犯は、ピッキング用特殊器具以外に、見つかった時に脅す目的の武器(短刀・スタンガン・短銃など)や粘着テープ・電気コードなどを持っている。たまたま居合わせた家人や店員が殺害されたり、重傷を負わされた被害が後をたたない。
実際にH13年の4月に山形県羽黒町の民家に4人の男が押し入り、主婦殺害、長女軽傷を負わせた事件では、東京都内に住む中国人と日本人が逮捕されている。いずれも被害者との面識はない。
強盗が全国で急増
長引く不況、高い失業率の影響で、「一攫千金」を狙った強盗も全国で急増している。H13年5月におきた青森県弘前市の「武富士」強盗殺人事件以降、店内に灯油やガソリンをまき「火をつける。」と脅す手口による強盗が全国で多発、特に消費者金融が狙われている。又、警備が比較的手薄な特定郵便局への強盗も急増しており昨年の約2倍になっている。
従来の営業時間を狙う方法以外に、早朝や夜間、帰宅途中に局長を襲い金庫を開かせる被害が続発している。その多くが局員の少ない小規模の特定郵便局で警視庁では「郵便局は警備が手薄とみられているのが背景にある。」としている。
アジア系エステ店への強盗事件も全国で100件を越え急増している。東京で捕まった中国人犯人によると、「従業員が不法残留しているケースが多いため警察に通報されないと思った。」と供述。犯人グループは十人前後で、4〜5人で犯行を繰り返していると考えられている。主に新幹線沿線の都市で発生、関東に拠点を置く組織が新幹線を使って犯行後すぐに逃走する「ヒット・アンド・アウェイ方式」で犯行を繰り返していると見られる。
商店経営者や主婦が殺害された侵入窃盗中に偶然出くわしたための「居直り強盗」「居直り強盗殺人」も急増している。
又、鉄パイプなどで歩行者を襲い、金品を奪う路上強盗も多い。ひったくりの延長のような意識で「手っ取り早く現金を奪える。」というのが理由で、未成年者の犯罪も多い。ここでも犯罪の若年化の傾向が見受けられる。