平成19年における刑法犯に係る高齢者(65歳以上)の被害件数は15万5316件。刑法犯被害件数に占める高齢者の割合は10.6%となっています。
高齢者の被害件数を主な罰種別に見ると、窃盗が74.0%で最も多く、詐欺7.8%、傷害1.1%、暴行1.1%、強盗0.3%となっています。 また、高齢者が被害者となる割合の高い罪種について見ると、詐欺(27.4%)、殺人(24.3%)が、全刑法犯被害件数に占める高齢者の割合(10.1%)より高くなっています。
高齢者の被害に遭う割合の高い場所は、女性の殺人、強姦、暴行、傷害、脅迫、恐喝、詐欺は一戸建て住宅。 強盗、公然わいせつについては道路上です。
男性の殺人、脅迫、窃盗、詐欺は一戸建て住宅。強盗、暴行、傷害、恐喝については道路上が多くなっています。2015年には国民の4人に1人が高齢者となるなど、日本は世界でトップクラスの高齢化社会です。少子高齢化社会は、地域コミュニティの低下を招き、特に都市部においては「隣人の顔が見えない」というコミュニティの希薄な地域社会ができており、それが犯罪者にとって狙いやすい環境となっています。
農村部においても若者がほとんど都市に出てしまい、子供と老人ばかりといった村が増えています。隣人の顔は良く知っていても、皆昔からの習慣で「鍵をかけない」無防備な状況です。「鍵をかけると留守だとわかるからかけない」といった考え方もあり、今まで安全だったからこれからも安全だといった無防備さに犯罪者はつけ込みます。実際に窃盗犯の中には「日本の田舎は泥棒天国」と豪語する者もいます。
老人の危険を考える上でのキーワードは「無防備」「無関心」「孤独」です。子供や孫と同居しない老人が増えているなど、昔の老人の社会環境とは大きく異なっておりそこに留意をする必要があります。
老人を狙った犯罪としては、昨今「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺や悪徳リフォーム、年金詐欺、悪徳商法等があります。特に詐欺被害の根底には「孤独」があり、被害に遭ったお年寄りは「親切に話を聞いてくれた」「親身に相談に乗ってくれた」と犯人を話しており、日頃より社会から隔離され孤独であるところに犯罪者がつけ込んでいることがわかります。
お年寄りの多くが土地や現金などの財産をある程度持っており、そしてその管理に関してのんきで無防備となっています。詐欺被害の一部は認知症のお年寄りですが、それ以外であっても判断するための情報が少なく、結果犯罪被害に遭っているケースが多いです。そして、何かトラブルに巻き込まれても相談する人が身近にいないため泣き寝入りのままということもあります。
空き巣被害や強盗に関しても、お年寄りの家庭は狙われやすい対象です。「泥棒が入ってもうちには盗られる物がない」とタカをくくっていたり、身体能力の衰えに気がつかないお年寄りは「昔とった杵柄」とばかり犯人に立ち向かい、命に関わるような惨事になっていることも多いです。
地震、洪水、台風など自然災害や火災、急病・孤独死などもお年寄りを取り巻く危険です。
お年寄りの安全を確保するためには、「無防備」「孤独」「無関心」に陥らないようにする必要があり、地域コミュニティの復活、ご近所との親密な付き合いが不可欠となってきます。地域ぐるみでの防犯意識の高揚や防犯情報の提供も必要です。



屋根の無料点検などを口実にしつこい勧誘を繰り返し、点検をした後高額なリフォーム工事を契約させるといった被害です。特に認知症のお年寄りに対して複数の悪徳リフォーム会社が複数の工事を次々に契約するといった被害が多発しています。点検商法、工事内容など詳細記載のない契約書、効果のほとんどないリフォーム内容などが問題となっています。






